【完】素直になれない君と二度目の溺愛ウェディング
電話を切った後、温かい気持ちになった。 不思議な話なのだが、海に大丈夫だと言われると本当に大丈夫な気がしてきた。
しかしあの父の事だ。 私達の結婚はおろか交際さえも簡単には認めて貰えない。
そうなった時私はどうするのだろう。
もういっそ、ルナ達がしたように駆け落ちめいたものでもしてしまおうか。 そこまで考えて見ても、自分の中でそのイメージは沸かない。
もしかすると私はルナよりずっとお嬢様気質なのかもしれない。
会社の事、将来の事、自分の立ち振る舞い一つで変わる。
そういうのに縛られて生きているのが、本当は居心地が良いのか、ルナ程の勇気を持っていないのか。
それでも確かな気持ちが一つだけある。 海と離れる事は絶対に考えられない。
そんな悶々とした夜をいくつか越えて、運命の日はやってきてしまうのだ。