【完】素直になれない君と二度目の溺愛ウェディング
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父はキリっとした顔をしているがどこか優し気で、歳の割に体も鍛え上げられていて会社の若い女性社員からも一部キャーキャー言われている。
顔は、私に似ているとよく言われる。 涼し気でどこかクールな目元。 昔、一世を風靡した某俳優に似ているとも言われていた。
その父がソファーの真ん中で腕を組み、ただならぬオーラを放ってこちらを見下ろしていた。 わざと威厳がある振りをしているのだ。 ほとほと父の性格には呆れる。
「すっげー顔してんな。 桜栄社長、んな怖ぇ顔してっとマジで娘に嫌われるぞ?」
「何でいるのだ!」
「何でいるのよ!」
父と私の声が重なり一瞬顔を見合わせるけれど、すぐに互いにツンと顔を背ける。
それを見た白鳥翔は大笑いした。
「ぷ、あーはは、本当におっさんとレナは親子だなあ。 そっくりだし。マジ笑える」
海と両親を会わせるためにセッティングしたその日に、何故かルナ夫婦も家へ来ていた。
ルナはいい。けれど白鳥翔に限っては余計な事を言いかねない。 父の向かいのソファーに王様のように腰をおろし、煙草に火をつける。
「ちょっと!!!」
「うちは禁煙だ!」
「うちは禁煙よ!」
また父の言葉と重なり、若干気まずい雰囲気が流れる。 しかしそんな白鳥翔の前へ灰皿を出したのは、母だった。