【完】素直になれない君と二度目の溺愛ウェディング
「レナは昔っからしっかりもので、勉強もスポーツも何をやっても一番だった。
しかし陰で努力をしていた事も知っている。」
「ルナは引っ込み思案だったけれど人や動物に優しく
休日はお菓子作りをして私に色々な物を作ってくれた」
「小さい頃は二人ともお父さんお父さんと言って私の後ばかりついてきて、仕事は忙しかったけれど宝物のような娘達との時間を持つことは
私にとって何よりも大切な時間だったのだ。」
娘達の事を語る桜栄社長は誇らしげに、しかし父親として穏やかな表情を見せていた。
’やっぱり俺、この人好きだなあ’ 形は違えど、東北にいる父の姿を思い出した。
農業をやって三兄弟を育てた父ちゃんは、上品な桜栄社長とは雰囲気は違っていたけど、忙しい最中も俺達兄弟と遊んでくれていた優しい記憶がある。
レナにとっては過保護な父親かもしれない。 けれどそれは大切にされている証拠でもある。 愛された記憶だ。
「ルナは……あんな野蛮な男と結婚するとは夢にも思わなかった…。 翔くんの父親とは若い頃からの友人なのだがね……
本当にあいつと来たら、駆け落ち同然でルナを奪っていって…
いや、よそう。 私にとっては宝物であるヒナが産まれたのも半分は翔くんのお陰だ…」
「けれど、白鳥さんは素敵な人だと思いますけどねぇ」