【完】素直になれない君と二度目の溺愛ウェディング
「レナは昔からしっかりとした娘だった。 私達両親の期待にいつも応えてくれて…。
チェリーチョコレートカンパニーの…私の娘としてきっと嫌な想いも沢山しただろう…。 私もお前には、自分勝手な事を言い過ぎた。
すまない。」
父はゆっくりと私へと頭を下げた。
「しかし、父としてレナを大切に想う余りにした行動だと思って私を許してくれ。
きっとレナにとって海くんは大切な存在なのだな。
いつまでも子供のままだと思っていたが、レナもルナもこうやって大切な人を自分で見つけていくのだな…。
お父さんは少し寂しいが、レナの決めた事を応援する事に決めた。」
「お父さん、ありがとう……。それにごめんなさい…」
素直な気持ちを口にしたら、ほろりと目から涙が零れた。
隣に居た海が優しく笑い、私の頭を撫でる。 素直な気持ちを口にしたら、涙が止まらない。
まるで子供に戻った様に、私は泣き続けた。 海に頭を撫でられながら、父が私を見つめる瞳は幼い頃のように優しいものだった。
守られて生きて来た記憶があるから、私はずっと幸せ者だったのかもしれない。 無償の愛を、父や母から与えられ続けてきたのかもしれない。