【完】素直になれない君と二度目の溺愛ウェディング

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私には結婚などずっと先の話なのだと思っていた。
むしろドラマや漫画の中で見るような大恋愛は出来ないものなのだと思い続けていた。

ずっと幼い頃から北斗に片想いをしていた。 けれどその初恋が叶わないと悟った瞬間、もう誰とも恋愛する事がないだろうと決めつけた。

いずれ父の決めた誰かと結婚をして、チェリーチョコレートカンパニーを継いでいく。 それが私の人生だと思っていた。

素直じゃなくって、意地っ張り。 自信があるように見えて、人と自分を比べてばかり。
本当はそんな自分が大嫌いだった。

北斗に無条件に愛されるルナが憎たらしくって、子供染みた嫉妬ばかりして。

どうして私ばかり上手に生きれないのだろうと悩んでいた。 けれど海はそんな私を可愛いと言ってくれて、好きだと素直に表現してくれた。

いつの間にかこんなにも海でいっぱいになっていた自分の心。

いつか大好きな人とドラマのような大恋愛をして、結婚した後は両親のような家庭を築くの。
夢にまでみた夢のような出来事を、海が平然と叶えてくれたのは父の許しを得てから半年後の出来事だった。
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