【完】素直になれない君と二度目の溺愛ウェディング

「何だよありゃあ、気持ちわりーな…。あれだけ結婚に反対してたくせに、今となっちゃお気に入りとか…
まあ、海も海でするりとおっさんの懐に入り込むのが上手かったなあ」

「アハハ、白鳥さんは相変わらず毒舌だなあ。  海は誰にでも好かれるタイプの人間なんですよ。
きっと桜栄のおじさんにも気に入られると分かってましたけどね」

「本当…ほっくんの言う通りですわ。 海さん良い人ですもんね」

いつの間にか親族控室にやって来たルナ夫婦と北斗が、二人を見つめ笑っていた。 白鳥翔だけが少しつまらなそうにチッと舌打ちをして、少し大きくなったヒナを抱きかかえる。

私の花嫁姿を見て、ルナも北斗も「綺麗だ」と褒めたたえてくれたが、白鳥翔に限ってはいつもと変わらぬ皮肉な笑みを浮かべ私の花嫁衣裳を鼻で笑う。

最近お喋が上手になったヒナは、彼の腕に抱かれて「レナちあん」 「かあいい」 と天使の笑みを浮かべている。

結婚はかなり急いだ形になってしまったが、私と海は出来ちゃった結婚ではない。

それも父曰く’きちんとしている’と海を気に入る一因の一つだった。 なんというか、現金な父親ではあると思う。
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