【完】素直になれない君と二度目の溺愛ウェディング
「白鳥さん、あんまりレナちゃんを苛めないで下さいよ。 レナちゃんが可愛すぎて苛めたくなる気持ちも分かりますけど。」
「はぁー?!可愛い?!こいつのどこが可愛いんだか。 馬子にも衣装とはレナのウェディングドレス姿の為にあるような言葉だ」
ツーンと顔を背けて嫌味を言う男に、せっかくの晴れの日が台無しにされた気分だ。
しかし海は笑いながら私に耳打ちをする。
「照れ隠しだよ」と。 そうかな?そうは思わない。私に嫌味を言うのを心底楽しんでいる男だ。
結婚式は泣かないと周りに宣言していたけれど、チャペルで大切な人達に囲まれ父とバージンロードを歩いた瞬間涙が溢れんばかりこみ上げた来た。
そして私は六月、涙の花嫁になったのだった。
隣で笑う人は出会った頃から変わらぬ笑顔を浮かべていた。そして桜栄レナ 今日大好きな人の花嫁になります。
それはまるでドラマや漫画のように夢見ていた光景そのもので、大切な人々に祝福され私は人生最高の日を迎える事が出来た。
「レナちゃん、すっごく綺麗。」
「本当? 海が選んだこのドレスにして良かった。」
「お色直しの青のドレスもすっごく楽しみだね。 披露宴も楽しみだ。
さっきね、桜栄社長親族控室で俺の方ばかり来てたでしょう?
あまりにもレナちゃんが綺麗すぎて恥ずかしかったみたいだよ。 アハハ、親子揃って照れ屋だな」
「お父さんってば……」