【完】素直になれない君と二度目の溺愛ウェディング
「後片付けは俺がしておくよ。 レナちゃんは休んでいなさい」
「…でも、海だって仕事で疲れているのに」
「いーの、いーの。 休むのが落ち着かないんだったら青空の顔でも見てて。
取り合えずゆっくりしていなよ。」
洗い物をしている間、レナは青空のベビーベッドに身を寄せて寝顔を優しい顔をして見つめていた。
くすりと小さな笑みが零れる。
’まるで猫みたい’ それは出会った当初から一貫している彼女のイメージ。
つりあがったアーモンド形の瞳で、ジッと青空の様子を窺う。 笑って見せたり、驚いて見せたり、指でそっと小さな青空の頬をつつく。
愛しい物を見つめるその瞳が、大好きだった。 早く抱きしめたい。そんなはやる気持ちを押さえて、食器を洗う、と。
「私、幸せだわ。」
青空を見つめるレナの口から零れた言葉に振り返る。
「青空がいてくれて、あなたがいてくれる。 こんな幸せな時間が来るなんて夢にも思わなかった。
海、青空を私にくれてありがとう。」
ベビーベッドに寄り添いながら、レナは俺へと笑顔を見せる。 ぎゅっと胸が締め付けられそうになる。
洗い物を終えて、青空の眠るベビーベッドに行くと幸せそうな表情をして眠っていた。
’俺の方こそありがとうだな’ こんなに俺が幸せなのは、君が頑張ってくれたからだ。 両手を伸ばし彼女の体を包み込むように抱きしめると、俺の胸の中ゆっくりと目を閉じたレナは気持ちよさそうにこちらへと身を任せる。