【完】素直になれない君と二度目の溺愛ウェディング

出会ったばかりの頃を思い返していた。
ほっくんに連れられて初めて会った時から猫の様な顔だなと思った。

性格も警戒心バリバリで、決して容易く心を許してはくれなかった。 しかし警戒心が強い猫であればあるほど懐けば甘々なのである。

そのギャップが愛しいと思った。  やっぱり俺は猫が好きだ。

「ふふ、苦しい~」

「レナちゃんは可愛い~よ~しよし。いいこだねぇ~」

「何か私の方が赤ちゃんになったみたい」

「レナちゃんは赤ちゃんじゃないよ。猫だよ」

いつか言った台詞をそのまま言うと俺の腕の中、ぱちくりと大きな目を瞬かせる。
顔を上げたレナはニヤリと目をつりあげて笑い「にゃあ~ん」と猫の鳴き真似をした。

高く悩ましい声が鼓膜を、甘く揺らしていく。  思わずティシャツを捲り上げ、レナの下着に手を掛ける。

「ん、ちょっと、海」

唇を首筋に押し当てると、甘い声が室内に響く。

「んんッ… 青空が寝ているのに…」

「大人しく寝ている今だからこそ出来ない事をしようか。 これからますます騒がしくなるんだから、ゆっくりと二人で居る時間は大切にしなくちゃあ」


始めは手足をジタバタさせて抵抗していたが、唇にキスを落とすとレナはゆっくりと目を閉じた。
吐息混じりの甘い声でレナが耳元で言った。 「海、愛しているわ」と。
胸が幸せでいっぱい包まれていく。

完結。




*ご挨拶*


ここまでお読みくださりありがとうございます!
こちらのお話は前作の「嘘から始まる初恋ウェディング」の主人公のルナの姉のレナのお話です。
既にBOOKには表紙を追加しましたが、次回作は今作にも出て来る北斗が主役の「夢見るマリアージュ(公開日未定)」です。
そちらももしよろしかったらお読みいただけると嬉しいです!

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