【完】素直になれない君と二度目の溺愛ウェディング
◇2◇ *SIDEレナ* 初めて上がる男の部屋。

◇2◇ *SIDEレナ* 初めて上がる男の部屋。




今日はツイていない日だ。 いや、昨日からツイていなかったのかもしれない。
北斗と海と飲みに行って連絡先を交換する事になって、朝からメッセージを受信した。

下らない内容だが返信をしたら何度かやり取りをする羽目になり、帰りに寄ったスーパーで偶然にも海に会ってしまう事になる。

互いに最寄りのスーパーなのだから今まで会わなかった事の方が不思議だったのかもしれない。 しかし、まさか今日に限ってマンションの鍵を失くしてしまうなんて。


そんなこんなで海のマンションに上がる羽目になる。

…一人きりで男性のマンションに上がるのは、実は初めてだった。 それだけでドキドキしてしまうなんて、26歳にもなって格好悪い。

恋愛の達人なんて言ってしまった手前、こんな小さな事で動揺している事を悟られたくない。

「うわー、こんなに降るなんて思わなかったなあ。 はい、レナちゃんタオル」

「どうも……ありがとう」

マンションに着いてすぐに海からタオルを受け取る。
確かにスーパーを出た頃は小雨だったのに、鍵を探している間に雨は本降りになってしまった。
二人で一つの折り畳み傘では心もとなさ過ぎる。 私も海も結構雨に降られてしまった。

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