【完】素直になれない君と二度目の溺愛ウェディング

「じゃ、着替えおいておくから。ごゆっくりどうぞー」

海がいなくなって思わず洗面所をじろじろと見てしまう。

マンション自体は知っていたけれど、まあ…私と家賃は同じくらいの普通の1Lの賃貸のようだ。

男性の一人暮らしがどんなものかさえ私は漫画の中でしか知らない。 思っていたより片付いていて、良い匂いがする。

…ああ見えて結構しっかりしているのね。 洋服を脱いで浴室の中に行くと、そこも掃除が中々行き届いていた。

「ふぅーー…」

熱いシャワーを体に浴びながら、自分が何をやっているのか考える。
何で私海の家に来てシャワーなんか借りちゃってるんだろう。

漫画的に言えばこのまま大人の関係になっちゃうのよ…このシチュエーションは。

勿論それは恋愛経験の全くない女のただの妄想に過ぎないのだが、まさか昨日の今日で海の家に上がり込んでいるなんて…。


あ、後鍵どうしよう…。鍵を失くすなんてドジ今までした事がなかったのに。

マンションの管理会社に電話して…でも先に鍵の業者呼んだ方が早いかしら?  明日も仕事だ。海の家で呑気にしているわけにはいかない。

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