【完】素直になれない君と二度目の溺愛ウェディング
シャワーを浴びて、海の用意してくれたティシャツとジャージに着替える。 私の体にはぶかぶかだった。 童顔で可愛らしい顔をしていたって、やっぱり男だ。
私は女性にしては背が高めだから、海とは身長も10センチ程度しか変わらないかなと思っていたけれど、こうやって彼の服を着ると改めて男なのだなあと感じる。
足音を立てずにリビングの扉から顔を出すと、海はソファーに座ってテレビを見ていた。 既にスーツから部屋着に着替えていて、そのサラサラの黒髪が雨粒でわずかに濡れている。
「あ、上がった?何か飲む?珈琲でも淹れようか?」
「いえ…そんな気を使わないで…。あんたも濡れているんだからシャワー浴びなさいよ。風邪ひいちゃうわ…」
「そう?お茶でいいんならここにあるからグラス出しておくね。 まあ、寛いでてよ」
そう言って海は浴室まで向かってしまった。
…寛いでって。男性の部屋に上がり込む事自体初めてなのだから、、寛げるわけない。
用意してくれておいたグラスにペットボトルのお茶を注ぐと、ついついぐるりと部屋を観察してしまう。