【完】素直になれない君と二度目の溺愛ウェディング

そして私はルナの夫である白鳥 翔が物凄く苦手だ。

切れ長の真っ直ぐな瞳は研ぎ澄まされた刃物のようで、その薄い唇から紡がれる言葉は容赦なく私のプライドを切り裂いていく。

私が自分をルナと比べ上に立っているとばかり思い優越感に浸っていた事を、誰よりも先に見抜いたのはこの男だった。

自分の中にあった人に知られたくない醜い感情をまるで見透かしたように見る、この男がとてもとても苦手だ。


―――――

「レナさーん、新商品のアンケートまとめておきましたあ!」

「ああ、半田(ハンダ)さん。ありがとう。 うん、よくまとまってる。 半田さんは仕事が早くて助かるわ。」

「えへへ、レナさんに褒めてもらっちゃった!
ねぇレナさん、ルナさんは元気ですか?出産したら会いに行くっていってて中々行けなくって…」

「あらそうなの?ルナはすっごく元気よ。 暇でたまらないって言ってたから遠慮せずに会いに行ってあげてよ。
きっと喜ぶと思う。 私もこの間会いに行ってきたの。 ヒナって言うんだけど、可愛いの!」

携帯を開きヒナの画像を彼女に見せると、半田さんの顔は途端に綻ぶ。
赤ん坊っていうのは偉大だわ…。

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