【完】素直になれない君と二度目の溺愛ウェディング
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海のマンションを出る頃にはすっかりと雨は上がっていた。
結局キャンセル料だけ払い鍵業者には帰ってもらった。
私ってば一体何をやっているのだろう。 鞄の内ポケットに入っていた鍵をナイナイと騒ぎ
海の家に上がり込んだあげくお風呂や洋服まで借りてしまって…呑気に海の家でご飯を食べていたとは
自分のドジ加減に情けなくなる。 海に迷惑をかけまくった上にマンションまで彼は付いてきてくれた。
「意外にあわてんぼうさんだよね、レナちゃん。そういう所も可愛いけれど
やーギャップつーのはいい。」
マンション前冗談めかして笑ってくれたけれど、申し訳ない気持ちでいっぱいの私は深々と頭を下げる。
「本当にごめんなさい。」
「や、全然。 寧ろレナちゃんとゆっくり出来て楽しかったし、ご飯もめちゃくちゃ旨くて感動した。
俺的にはラッキーって感じだよ」
年下の男性にここまで気を遣わせる私って一体…。 顔を上げると、やはり海は澄み切った瞳で柔らかく笑う。