【完】素直になれない君と二度目の溺愛ウェディング
「ありがとう…。借りた洋服は洗濯して返すわ。 自分のドジ加減が情けない…。
何かお礼をしたいわ…。 迷惑をかけちゃったし」
「いいっていいって。本当に俺的にはラッキーだったし」
「でも……!!私は人に借りを作るのは嫌いなのよ……」
そこまで言いかけると、海はうーんと何かを考えるように頭を捻る。
そして澄み切った真っ黒の瞳が悪戯に瞬いた。
「じゃあ、デート一回で。」
「は………?」
「今度の休日、どこか一緒に遊びに行こう。 それでチャラって事で」
「何で私があんたと……」
「人に’借り’を作るのは嫌いなんでしょう?」
悪戯に微笑んだその顔は、まるで悪魔みたいだった。 弱みを握られてしまった気分だ。
けれど最もな海の言葉を前に何も言えなくなってしまう。
「まあ、’恋愛の達人’のレナちゃんにとったらデート位大した事ないでしょお?」