【完】素直になれない君と二度目の溺愛ウェディング
◇2◇ *SIDE海* 初めてのデート。
◇2◇ *SIDE海* 初めてのデート。
『来週の日曜日とか暇?』
『すごく忙しいけれど時間は空けるわ。 約束だものね。
でもこれっきりにしてちょうだいね。あんたに構ってるほど私は暇じゃないので』
思わず飲んでいた珈琲を吹き出しそうになった。 オフィスの開放的な大きな窓には思わずニヤニヤと笑う自分の姿が反射する。
やっぱりレナは思った通り可愛い。 血統書付きの高級な猫。誰にも懐かないと言いながらもすぐにほだされてしまいそうなつりあがった瞳を思い出す。
「あ、海くん珍しいね。営業に来てるなんて」
「岸田ちゃん久しぶり~元気してた~?」
新製品の宣伝の為の会議で、社長室の階下にある営業部に訪れていた。 終わって珈琲を飲みながら一息ついていると同期入社の 岸田 薫に偶然会った。
一年前まで俺もここの営業課にいたのだ。 そして岸田 薫は有名大学を卒業した才女で容姿も良い事から同期の間では高嶺の花のような存在だった。