【完】素直になれない君と二度目の溺愛ウェディング
社長室に異動になってから彼女からの連絡か増えた。 これだけ魅力的な女性だったらほっくんの頑なな心も動くのではないか、と飲み会と称した合コンをセッティングした事がある。
その場で岸田ちゃんはあからさまにほっくんにアピールをしていた。 しかしほっくんは一切靡かなかった。
全く謎だ。
岸田ちゃんでもレナでも駄目だという事は、レナの妹であるルナという女性はどれ程魅力的な女性なのだろう。
想像も着かない。 ほっくんの考えている事は俺にも全く理解不能だ。
「城田くん…!北食品の方からクレームが入っている。何でも発注した数と届いた食品の数が合わなかったようだけど!
こんな初歩的なミスをするなんて、何か月うちの会社にいると思っているんだ。」
「も、申し訳ありません…!」
大きな声がフロア内に響く。
営業課の堀田部長とは昔から気が合わない。 部長から怒られて頭を何度も下げるのは、ダークグレーのスーツに身を包んだ女性だった。
見た事はない。 岸田ちゃんの方に目を向けると、彼女はフッと小さく息を吐いた。