【完】素直になれない君と二度目の溺愛ウェディング
「ごめん、遅くなって!」
「遅い…?まだ約束の時間十分前だけど?」
携帯に目を落とし、レナは大真面目な顔をして言った。
「レナちゃんはもっと前から待ってくれていたみたいだから。 俺とのデートをそんなに楽しみにしてくれてて嬉しいなあーって」
一瞬動きが止まり俺の顔をジッと見やる。 直ぐに言っている意味を理解したか顔を赤らめ顔を伏せる。
「はぁ?何言っちゃってんの?冗談は顔だけにしなさいよ。社会人として時間を守るのは当たり前の行為で別にあんたと出掛けるのを楽しみにしていた訳じゃないわよ。
勘違いは止めて貰える?」
相変わらずプリプリ怒っているので、頭をポンっと撫でると更に顔を赤らめる。
新鮮な反応だ。やっぱり俺、この人が好きだなあと思う。
「今日は天気もいいし、さっそく行こうか。」
「行くってどこによ?」
「それはついてからのお楽しみ~。」
「ちょっと、気になるじゃない。一体どこに行くの?何をするの?ねぇってば!」
「質問が多いなあー。ついてくれば分かるって~」