【完】素直になれない君と二度目の溺愛ウェディング
「あんたに変な所に連れ込まれたら大変じゃない」
「レナちゃんの言う’変な所’ってど~こ~?」
ニヤッと笑うと、レナはまた顔を真っ赤にして頬を膨らませた。
これは出会ったばかりの頃から思っていた事だが、彼女は感情表現が豊かな人だ。
電車に乗った後も「どこに行くの?」とずっと聞いてきては不安そうな表情を浮かべる。
’最高のデートプラン’とは言ったものの、レナが何をすれば楽しいのかは余り分からないので結局は有り触れたものになってしまう。
けれど彼女の表情を見て、ここに連れて来たのは正解だと直ぐに気が付いた。
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いつもキリっとしている表情がふわりと緩んで、つりあがった猫の様な目は途端に垂れ下がった。 この場所に来れば大抵の動物好きの人間はこういう表情になってしまうのかもしれない。
ネットサーフィンをしている時に見つけた、わんにゃんパーク。
一階は動物のお風呂屋さんになっていてトリミングをメインにペットホテルまでやっているようで、二階は猫と犬混合のカフェになっている。
妹が犬と猫を飼っている。その話を思い出して、今日のデートプランはここに決めた。 ほら、動物には心を癒す力があるっていうし、都会の大きな会社で働いて日夜ストレスに晒されている俺達にとっては最高のデートプランだとは思うのだが?