【完】素直になれない君と二度目の溺愛ウェディング

「可愛いわ。…それにとっても清潔で素敵。」

清潔という点もレナは気に入ったらしい。何とも彼女らしい。

昨今のペットブームで都内には猫カフェが溢れている。 しかしその中にはずさんな経営をしている店舗も少なくはない。

ネットの口コミを見ていれば評判の良い店、悪い店でくっきりと分かれていた。

何でもこのわんにゃんパークはオーナーが趣味で始めたものらしい。 引き取り手のない猫を引き受け、カフェを開いたらしい。

一階はお風呂屋さんになっているので、ここにいる犬猫はいつも清潔な状態で保たれて、カフェ自体も綺麗に片付けられて流れる空気も清潔そのものだ。

レナが気に入ってくれて良かった。ホッと胸を撫でおろした時には既に彼女は大きな白い犬と馴れ合っていた。

猫七匹に対して、犬は一匹。 先ほど店員である身長の小さな若い女の子が説明をしてくれた時「ワンちゃんはオーナーの愛犬なんです」と言っていた。
それにしてもでけぇ…。 体重なんてレナより重いんじゃないかという程の真っ白の大型犬だった。

俺もどちらかといえば動物は好きな方だと思う。 実家の農家では外と家を自由に行き来出来る猫を数匹飼っていた。だから猫には小さな頃から馴染みがあったが……犬は。

「ねぇ、見てすっごく人懐っこいの!」

余りにも眩しい笑顔を向け、レナがこちらを振り返った。
犬はリードに繋がれていて、猫とは違うスペースでプラスチックの柵でしきられていた。

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