【完】素直になれない君と二度目の溺愛ウェディング

「ああ、本当に…」

不思議そうな顔をしこちらを見上げた猫数匹が俺の周りをうろちょろしている。
猫は怖くはない。 猫は…しかしこれだけでけぇ犬は…あまり馴染みが無い。

「ねぇ、こっちにおいでよ。 こーら、よしよし。飛びつかないの!」

大きな白い犬は嬉しそうに舌を出して、尻尾を振ってレナの体に前足を乗せている。
ゆっくりと柵の中を入って行くと、俺に気が付いて目を輝かせてこちらへやって来る。

「うわッ!」

思わず身を退くような素振りを見せると、その場にしゃがみこんだレナが大きな目を見開いてこちらを見上げた。

意地悪そうに目をゆっくりとつりあげた、口角は悪戯にニヤリと上がる。

「もしかしてあんた犬は苦手なの…?」

「ど、動物は大好きだし、猫は実家で飼っていた事もあるし好きだよ。
…でもこんな大きな犬と遊んだ事はないから」

「アハハ、あんたでも苦手なものがあるのねぇ。意外。 でも全然怖くないよ、犬はすっごく頭がいいの。
絶対に本気で噛んだりしないし、牙を向ける事もないわ。 ね~?人間が大好きなのよねぇ」

まさかレナにこんな顔をさせるとは… 動物おそるべし。  レナは大型犬の襟足を愛しそうに両手で撫でながらこちらを再び向く。

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