【完】素直になれない君と二度目の溺愛ウェディング

「どうして私がここに来たら嬉しいって分かったの?」

「そりゃー……妹さんが犬を飼っているってこの間言っていたから。
俺に似てすごく可愛いって言ってただろう?」

「あんたに似て、馬鹿犬ってね」

意地悪そうに笑って言うレナと共にしゃがみこんで真っ白の大型犬を撫でると、嬉しそうに真っ黒の瞳を輝かせた。

俺、犬に似ているか?

そりゃあ、どちらかと言えば猫よりは犬っぽいけどさ。 まあ、レナに言われると悪くはない気もする。 犬に向けるような素直な愛情を俺にも向けて欲しいものだけど。

押し倒される勢いで求愛を受ける形になるが、力は全然入っていなかった。
レナはクスクスと笑って「雌だから男の人の方がいいみたい」と言う。

「でもびっくりしたわ」

「何が?」

「グレートピレニーズ。」

「ぐ、ぐれ…?」

「このワンちゃんの種類。」

大層な名前の犬だったらしい。 真っ白でふわふわで馬鹿でかいぬいぐるみのような大型犬だ。

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