【完】素直になれない君と二度目の溺愛ウェディング
「よく知っているね。」
「だからびっくりしたのよ。妹が飼っている犬と一緒なんだもの」
「ああ、馬鹿だけど俺のように愛らしい噂のワンちゃんね。そのぐれ、うんたらって種類なんだ」
「そうなの。妹が飼っている犬も雌でね。誰にでも懐くんだけど、どうやら元々の飼い主である妹より妹の旦那さんの方が好きらしいのよ」
「へぇー……そりゃあきっと動物好きの旦那さんなんだろうね」
「全然!寧ろ動物は苦手だったらしいわ。 それに嫌味な男なのよ。私とは昔から気が合わなくってね。
あ、それにね妹は猫も飼っているの。 知っている?ジェネッタっていって日本ではまだ珍しい種類の猫なんだけど、手足が短いのよ。
笑っちゃう事に妹の旦那には全く懐かないんだけどね、まあ私にも全然懐かないんだけど。
私、猫ちゃんとも遊びたいわ。 あっちに猫じゃらしあったわよね」
レナはいつもより饒舌だった。 やっぱりここに連れて来たのは正解だったようだ。
彼女のこんな嬉しそうな笑顔が見れるなんて。 そして自分の周りの話をしてくれるなんて今までになかったから。