【完】素直になれない君と二度目の溺愛ウェディング
「俺は…レナちゃんの妹さんの事はよく知らないけど
レナちゃんがレナちゃんだから好きになったんだけど。
たとえレナちゃんが自分を嫌いでも、俺がレナちゃんを好きならそれはそれでプラマイゼロって事でよくない?」
「何それ、全然意味わかんない」
目尻を下げてレナは屈託なく笑った。
居酒屋に居る間も、いつもより笑う数が多かった。
レナが一体自分の中で何を抱えているのかは俺には分からないけれど、俺の前で見せる彼女はごくごく普通の少しだけツンとした女性で
人一倍気にしいなその性格のせいで、損ばかりしているような気ばかりする。
またこういった時間を一緒に過ごしたいな。 そう自然に思い素直にそれを口にした別れ際。
「どーしてあんたとなんて」いつものように冷たい言葉を投げかけられるとばかり思っていたのに、レナは意外な返事を返した。
居酒屋で二時間ほど飲んで、レナのマンション前でお別れ。 そのはずだったのに、レナは猫のようにつりあがるアーモンド形の瞳を瞬かせて何かを考えるように黙り込んだ。
「そうね、こういうのも悪くないかもね」
意外や意外。まさか彼女の口からそんな言葉が漏れるなんて…。 少しだけ目尻を下げて穏やかな顔をしていた。