【完】素直になれない君と二度目の溺愛ウェディング
「もしかして、彼氏だったりして」
「やっ、違う。私彼氏とかいないし。それに忙しいから彼氏とか作っている場合でもないし」
「もー…レナさんってばそう言い続けて何年になるんですかあ? レナさんに彼氏がいない方が不思議なんですけど。
うちの有能な男性社員がいくら口説いたって落ちないって言われてるんだから」
「うちの男性社員なんて私の事怖がって近づいてきやしないわよ」
「えー、そんな事ないですよぉ。営業の星野さんとか入社当時からレナさんの大ファンだし。
彼、すっごく女性社員に人気があるんですよ。
飲み会とかでレナさんに昔からアプローチしてるのに、レナさんってばずっとつれない態度だし」
「誰よ、星野……」
「もぉー、本当に酷いなーレナさんは。」
誰だって私を色眼鏡で見て来る。 チェリーチョコレートカンパニーのご令嬢。 とっつきにくくて高飛車なお嬢様。
確かに私の性格にだって問題はあるかもしれないけど、勝手に変な幻想を抱いているのも男の方ではないか。
誘ってくる食事だって高級なレストランだったり、料亭やら私の好みを分かっちゃいない。 でも、そういえばこれでもまだ新入社員の頃は何度か会社の男性に声を掛けられたりしたっけ…。