【完】素直になれない君と二度目の溺愛ウェディング

会社に戻ったら営業部の岸田ちゃんに掴まった。 レナからの連絡を確認している最中だったから話半分で聞いていた。

目の前にドンッと美しい岸田ちゃんの顔がドアップ。  綺麗な人なんだけど表情がこえーんだよなあ…。それが美人度を半減してしまっている気がする。

「あ、ごめんごめん。んで?」

「だから、この間私見ちゃったんだから。 うちの城田さんと北斗さんが一緒に残業していたのッ!
北斗さんは社長室の人間なのに、どうして城田さんの残業を手伝っているって言うのよ。」

「城田さんって例の岸田ちゃんと同じ名前の子?」

「名前は一緒でも漢字は違うの!あんな冴えない子と一緒にしないでよッ……」

大きな瞳をむき出して顔を突き出されると思わずドン引きしてしまう。 一緒にしないでよ、か。俺にとってみたら女性の容姿の綺麗云々はそこまで重要視する問題でもないのだが、ほっくんと城田さんの関係はちょっぴり気になる。

女っ気が余りなく、特に親しくしている女性もいない不思議なほっくん。

ちょっとぼんやりしている所があるけれど、容姿端麗で社長の息子。 岸田ちゃんのように言い寄ってくる女性は少なくはない。

レナの妹の件は聞いていたけれど、いまいちほっくんの好きになる女性は掴めずにいた。

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