入れかわりクラスカースト


そこには、数々のいじめ動画をアップしていた。


もちろん、学校名や人物が特定されないように気をつけている。


特に、加害者が私だとバレないようにしないと。


でも、クラスメイトはほとんど私だと気づいている。


気づいていて黙ってるのは、それを楽しみにしているからだ。


短い動画をアップすると、すぐにいいねが伸びていく。


私のパフェやまどかの歌とは、勢いも桁も違う。


『水責めやべぇ!』


『服、透けてくんないかな?』


『ちょっとマンネリじゃね?』


からかったようなコメントが相次ぐ。もしここで『いじめなんて最低!』なんて書こうものなら、袋叩きに遭う。


皆んな、他人の不幸が好きなんだ。


自分とは遠く離れた場所で行われている、無関係ないじめ。


いいねが増えれば増えるほど、私の心は満たされていく。


夕子は、ストレス解消のオモチャだ。


自分のオモチャを、私がどうしようが勝手でしょ?


すっきりした気分で、教室に戻る。


チャイムが鳴ると、服部先生ではなく副担任がやってきた。


「服部先生は諸事情により休職されることになりました」


すると、教室内がざわついた。


あんな先生、どうだっていいのに──?


「ちょっと、カンナ」


隣の席のまどかが、スマホを画面を突き出す。


「…えっ?」


それは【いじめっ子CLUB】のサイトだ。




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