入れかわりクラスカースト


恐らく夕子は、いじめの仕返しをしているんだ。


なんらかの手を使って、私と入れかわったに違いない。


それをどうにかして信じてほしくて、カンナとまどかに接触した。


しかし、2人とも逃げていき…。


こうなったら、強硬手段に出るしかない。


私がこんな目に遭うなんて、絶対に許さないから!


静かな怒りを抱き込んだまま、校門の陰でじっとその時を待つ。


捕まえたら、どんな酷い目に遭わせてやろうか考えながら──。


来たっ!


そーっと近づき、その背中にナイフを押し当てた。


「元に戻しなさい」


私に入れかわった夕子の耳元で囁く。


「言うことをきかないなら、刺すから」


「や、やめてっ…」


「私は本気よ。元に戻せ!」


「わ、私を刺したら、自分だって──」


「うるさい!私は前に言ったよね?あんたになるくらいなら、死ぬって」


ナイフをさらに突き出すと、夕子の口からかすれた悲鳴が漏れる。


「元に戻さないなら、今ここであんたを刺し殺して私も死ぬから」


「や、やめて。刺さないで!」


「それなら元に!」


「分かった、分かったから!」


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