入れかわりクラスカースト


私たちはしばらく、睨み合う。


でも、そう考えれば辻褄が合うんだ。


美香と入れかわった夕子は、カンナを陥れたんじゃないか?


本物の美香なら、カンナを相手になんかしない。


これまでいじめられた仕返しに、私たちに復讐しようとしているのだとしたら?


この目の前の女は___夕子なんじゃ?


「夕子と、入れかわったとか?」


「──えっ?」


変な間があった。


「じゃ、私の誕生日は何月?」


「まどかの…誕生日?」


「当然、友達なんだから知ってるわよね?」


「…忘れたわ」


美香が短くこたえたので「忘れた?」と大きな声で聞き返す。


「有り得ないでしょ?私と美香の誕生日は3日しか違わないんだから。それを忘れたっていうの?」


そう詰め寄ると、美香の顔に動揺が走る。


あの城崎美香が、焦っている。


そして焦らせているのは、この私だ。


「じゃ、私の血液型は?分かるわよね?美香と同じなんだから」


またカマをかけてやった。


本当は私と美香の血液型は、違う。


もし同じだと答えるなら、この女は夕子だということに──。


「本当に私が夕子か疑ってるようね?そんなに疑うなら、夕子本人に訊いてみなさいよ」


なぜか美香が、勝ち誇ったように微笑む。


チャイムが鳴り、副担任がやって来たかと思うと…。




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