入れかわりクラスカースト


そう言って振り返ると、美香が固まっている。


今にも、俺の頭に分厚い辞典を振り下ろそうとしていた。


「俺を気絶させてスマホを壊してもムダだよ。このパソコンで1時間に1回、パスワードを打ち込まないと動画は勝手に拡散される」


「随分と根回しがいいのね」


諦めたように、辞典を床に放り投げる。


初めて見る、美香の下着姿。


それだけで、股間がやばいくらいに熱くなっていく。


「じゃ、下着も脱ごうか」


「…脱いだら、助けてくれるの?」


恥じらうような表情が、また股間を刺激する。


「もちろんだよ。アリバイを証明してやるよ」


そしてそのまま、性奴隷にしてやろう。


思いのままに、体を弄(もてあそ)んでやるんだ。


観念したのか、一つ息を吐くと美香はあっさり下着を脱ぎ捨てた。


女王様のさらけ出した裸体に、目が眩みそうになる。


もう我慢できない!


真っ裸になり、美香と向き合う。


「ほら、キスして」


唇を突き出すと、美香の顔が渋くなった。


「別に嫌ならいいんだよ。その代わり動画を──」


「するわよ!」


怒ったようなキスはでも、俺たちの立場が入れかわった決定的瞬間だ。





< 161 / 198 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop