入れかわりクラスカースト
再びキスをしようとした時、美香のスマホが鳴った。
【公衆電話】と表示されている。
出ようとするのを制止する俺に「お願い出させて。後は好きにしていいから」と、妖しく微笑む。
どうやら、もう観念したらしい。
それとも俺のキスにメロメロになったのか?
「──もしもし?」
それだけ言うと、美香は何も喋らなかった。
ただ、相手の言葉に耳を傾けているようで、たった一言。
「待ってるわ」とだけ言うと、スマホを放り投げる。
そして、俺に微笑みかけた。
「続き、しようか」
首に手を回し、しなだれかかってくる。
「私ね、実は優作のこと前から気になってたの」
「えっ、マジで!?」
「うん。机の上も参考書ばっかりで勉強もできるし、クラス委員で素敵だなって思ってた」
そう言って、机の上に座った美香が手招きした。
鼻息荒くキスしようとした俺の唇を、人差し指で押し止める。
「一つ聞きたいことがあるの」
「な、なんだよ?そんなことより早く続きを──」
「前に夕子とキスした時、どうだった?」
「夕子?なんで今あんな奴のこと…」
「聞きたいの。少しは気持ちが揺れ動いたりした?」