入れかわりクラスカースト
──パシーン!
晴美に頬をぶたれた。
「金ばっかり無心しやがって!あたしがどれだけ苦労してると思ってんだよ!」
髪の毛を鷲掴みにされ、引き倒される。
「お前さえ居なかったら、もっとマシな生活できたんだよ!」
「や、やめてっ…」
「てめぇ、誰に口きいてんだよ!」
足が容赦なく飛んでくる。
「あたしは母親なんだよ!お前を産んでやったんだ!」
「ご、ごめんなさい!」
「もっと感謝しろよ!」
「ごめんなさい…」
体を丸めて小さくなる。
このまま消えてしまえたら、どれだけいいか…。
「早く体でも売って親孝行しな!」
ペッ!とツバを吐き捨てて、出て行った。
どうせ酒でも買いに行ったんだろう。
まだ買いに行かされないだけマシだ。
明らかに未成年なのに買って来いと無理を言うことがある。
それで買えない日にはまた、殴られて終わり。
物心ついた時にはもう、父親はいなかった。
母と2人、この狭い部屋で暮らす日々。
夜の仕事をしている晴美は、いつからか私に強く当たるようになった。
学校でも家でも、気の休まる場所はない。
どこにもないんだ。