入れかわりクラスカースト
く、苦しい…!
い、息ができない!
胸が詰まって、破裂しそうで…。
私は、このまま死ぬのか?
抵抗しようにも、体は全く動かない。
夕子の怨念にも近い重みが、私をどこまでも沈めていく。
暗い闇の中へと──。
『心停止だ!』
どこか遠いところから、声が聞こえてくる。
『蘇生を!』
なにか大きな衝撃に、体が激しく波打つ。
もう、だめだ。
どんどん声も聞こえなくなっていく。
『もう1回!離れて!』
ドクン!と痙攣するも、更になにも聞こえなくなっていく。
深い深い、そして心地良い闇へと沈み込む。
目を覚ます必要なんてない。
苦しみも怒りも、なにもかも手放してしまえば楽になれる。
「ふふっ」
その時、笑い声が聞こえた気がした。
嫌らしくて浅ましい、勝ち誇った笑い声が。
私の体と顔を奪っていった、女。
私をこんな醜い顔にして去っていく、女。
底辺のくせにカーストを入れかえた、女。
はっきりと、夕子の顔が暗闇の中に浮かび上がる。
私の顔をした、あの女。
『もう1回!戻ってこい!』
あの女、許さない!
絶対に許さない!