入れかわりクラスカースト
翌朝、晴美は帰ってこなかった。
どうせ新しい男のところに泊まったんだろう。
殴られなくてすむけど、それはそれで困ったことになる。
朝ご飯も何もない。
修学旅行の費用のことで、食費を言い出しにくくなってしまった。
食べるものはいつも私が準備し、その都度、お金がなくなれば貰う。
それでも、余裕のある暮らしとは程遠い。
給食があるから、辛うじて飢え死にしなくていいようなものだ。
いじめられはするけど、学校にさえ行けばとりあえず食べ物にありつける。
私だって、わざわざ美香たちにいじめられたくはない。
相談できる親族は誰もいない。
でもあと1年で中学は卒業だ。
高校には進学したいけど、またいじめられるなら就職したっていい。
高卒の資格は後からでも取れる。
自立する力を身につけ、この家からも出るんだ。
それが、私の唯一の支えだった。
もう少し。
あともう少しで、すべての地獄から解放される。
だから我慢するんだ。
どれだけいじめられても──。