入れかわりクラスカースト
「それなら、いいだろ?」
熱を帯びた目で見つめられ、気づくと私は頷いていた。
「じゃ、制服を脱いで」
「えっ?」
「夕子のすべてが見たい」
「──わかった」
私は制服に手をかけた。
こんな私のことを求めてくれるなら、全力で応えたい。
静かに制服を脱ぐ私を、優作が見つめている。
それだけのことで、体の奥が熱が込み上げて──。
「夕子!」
下着姿になった私を、優作が壊れるくらいに抱きしめる。
その手が直に肌に触れると、言葉にならない思いが爆発していく。
「夕子、愛してる!」
愛してる。
私のことを、愛してると言う。
それだけで生きていける気がした。
他になにもいらない。
この『本物の愛』さえあればいい。
机の上に押し倒され、その上から優作が覆い被さってくる。
ガタガタと大きな音が、誰もいない教室に響き渡った。
誰もいない『はず』の教室に。
「私も愛してる」
優作の首にしがみつきながら、私は言った。
その目を見つめながら…。
「──えっ?」
思わず声が漏れる。
優作の目から、熱が消え去っていたからだ。