入れかわりクラスカースト


もう生きていても仕方がない。


学校でもいじめられ、家でも虐げられる。


私の居場所も、帰る場所もない。


どこにもないんだ。


どこにも…。


それなのに気づけば、私は学校に来ていた。


行くところが、良い思い出がない学校しかないといのもおかしなものだ。


でも、死ぬなら学校がいい。


あいつらに思い知らせてやることができる。


どれだけひどいことをしていたか、あいつらは反省──。


「するわけないか」


私はぼそりと呟いた。


もし反省する心が少しでもあるなら、ここまでの仕打ちはないはず。


死んだ私のことなんか、一日で忘れるだろう。


また次のターゲットを見つけるんだ。


次は──ガリ勉の金本さんあたりか。


職員の入り口から校内に入り、屋上に向かう。


階段を軽快に登る。


もうこの地獄のような苦しみから解放されるんだ。


悔しい思いはあるけど、底辺の私にはどうすることもできない。


この地獄を耐え抜くか、終わらせるか。


二つに一つ。


それなら、終わらせたい。


私が死んでも、悲しむひとなんていないから。





< 54 / 198 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop