入れかわりクラスカースト
「美香に何すんのよ!?」
まどかが、私を助けてくれたんだ。
「あんたよくその髪で学校に来れたよね?拡散してあげる」
カンナが、ざんぎり頭の私にスマホを向ける。
「や、やめて!私は美香よ!」と、夕子の容姿をした美香が叫ぶ。
「はぁー!?あんたが美香なわけないでしょ?」
「まどか!?」
「気安く名前を呼ぶんじゃないよ!」
まどかが、夕子の肩を蹴る。
「まどか、私よ!私が本当の美香なの!」
「まだ言ってるー!あんた頭おかしくなったの?」
「カンナ!私が美香なの!どういうわけか、夕子と入れかわったのよ!」
懸命な訴えに、廊下が静まり返る。
「入れかわったって…?」
まどかが私を振り返り、カンナもいつの間にか動画を撮るのをやめていた。
「お願い、信じて!どうやったかはわからないけど、目が覚めたら夕子になってたの!」
ここぞとばかりに、美香が訴えかける。
そのあまりの真剣さに、まどかとカンナの2人は笑い飛ばすことをせず、ただ私を見つめていた。
「こ、この女が夕子なの!」
私のことを指さす美香は、どこか勝ち誇ったような笑みを浮かべる。
その瞬間、私は笑った。
笑って笑って、笑い上げてやった。