入れかわりクラスカースト


『私ね、結婚するのよ』


『結婚してこんな仕事、辞めてやる。残業ばっかりで仕事は終わらないし、クソみたいな保護者に頭を下げて、挙句にいじめ?ふざけるんじゃないわよ!』


『少しは私の身にもなりなさいよ!結婚まであと少しなんだから、それまで揉め事は起こさないで!』


『あなたは黙っていじめられていればいいの!それがあなたの役割なんだから。ちゃんと身の程をわきまえなさい』


いつしか、辺りは静まり返っていた。


誰もが、一字一句を聞き逃すまいとしている。


私の不幸を逃すまいと、聞き耳を立てている!


「や、やめて!その子を追い出して!」


『どうせあなたは泥棒なんだから』


「わ、私は盗ってません!」


そこで初めて、違う声が轟く。


これは___奥田夕子の声だ。


『なに?私に口答えするの?』


「だって、本当に盗ってない…」


そう言って涙を流す、夕子の顔を思い出す。


財布を取られた側の美香が、どうして?どうして私にことんなこと…?


『あなたは盗ってない』


「えっ?」


『私は信じるわ』


や、やめて…!


その先だけはダメ!


「お願いだからやめてぇええええー!」







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