愛の距離がハカレナイ
身体でも動かしていないと、ますます考えがいけない方に走ってしまうような気がする。

するとスマホが着信を告げた。

「もしもし、今何をしているの?」

その元気な声はもちろん香澄。

「ストレッチをしている。」

私はぶっきらぼうに答える。

「明日お休みだから、今から家に来ない?良ければ泊って行っても良いし。」

「うん…。」

重たい身体に一瞬ひるんだけれど、気持ちをふっと緩める。

「行く。」

私は何かを言っている香澄の声を無視して、スマホを切った。

香澄にちょっと愚痴ってみたら、いつもの調子に戻れるかも。

久々に気持ちが軽くなる。

私は用意もそこそこに家を飛び出していた。

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