愛の距離がハカレナイ
「…俺だって一緒だ。俺からは絶対連絡しないってどこかで決めていた。」

「祐介?」

「阿里に仕事を頑張って欲しくてこういう状況を選んだのに…、俺が阿里の声を聞いてしまうとくじけてしまいそうで…。」

「何やっているんだろうね、私達。」

そうか…、祐介も同じ気持ちだったんだ。

そう感じた途端、もやもやした気持ちがパッと晴れたような気がした。

「俺にも南川課長にも今まで通りに接してごらん。」

更にお互いの近況を話した後、祐介はこう言った。

「俺は大丈夫だから。周りを気にし過ぎて、阿里らしさを失くしてしまう方が、俺には辛い。」

「じゃあ、南川課長と食事に行っていい?」

私は恐る恐る聞いてみる。

「それが阿里にとって、南川課長との仕事上で必要な事なら何も言わないよ。」

「本当に?」

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