愛の距離がハカレナイ
会社の前で、手を上げる祐介の姿を見つけた。

私はそのままの勢いで、祐介に飛び込んでしまった。

驚いた祐介が、何とか私を受け止めた。

「そんなに急がなくても大丈夫なのに…。」

顔を上げた私に、驚いた顔をする祐介。

「こっちに来るなら、言ってくれたらいいのに。」

「そんな予定なんてなかった。」

「どういう事?」

「昨日の電話の様子で、阿里に会いに来なければと思って。」

「えっ?」

「電話を切って、出来るだけ早い便でこっちに来た。」

「…祐介…?何言っているの?」

「こんなに痩せて…、来て良かったよ。そんなに仕事が大変なのか?」

私は祐介の顔をまじまじと見つめる。


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