愛の距離がハカレナイ

「阿里が好きだ。」

なんだろう、身体の芯から沸き起こって来るこの優しい気持ち。

私はたまらず振り返って、水島の胸に顔をうずめた。

「阿里？」

戸惑った表情の水島をそっと見上げる。

「…嬉しい…。多分私も…。」

自然にその言葉がこぼれた。

その時の水島の笑顔をきっと私は一生忘れられないだろう。

そして水島の唇が私のそれとそっと重なった。

至近距離で始めて見る水島の顔は明らかにいつもと違う。

「阿里‥。」

水島が私を胸に抱きしめる。

私の手も自然に水島の腰にぐるっと回る。

「もうこの気持ちを隠さなくて良いんだな。」