愛の距離がハカレナイ
「私には今海外赴任をしている彼が居ます。」

「じゃあ、南川さんの片思いか。気が付いていた?」

さすが、仕事が出来る人はそういう所も鋭いんだな。

変な感心を私がしていると、中山さんは意地悪そうに笑った。

「南川さんはなかなか手ごわそうだね。」

「勘弁してください。ここだけの話でお願いしますね。」

私は人差し指を口の前に立てる。

「あのさ、私の経験からなんだけど…。」

「えっ?」

「ちゃんと念を押した方が良いと思うよ。出来る男はプライドも高いから慎重にね。」

私は思いきり肩を落とす。

「何回も伝えているんですけどね。諦めてくれなくて。」

「もう結婚しちゃえば?その海外赴任している彼と。」

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