愛の距離がハカレナイ
「…祐介らしくないね。」

「いつもの俺は阿里にどう映っているんだろうな。」

祐介は私の唇にそっと手で触れると、ごろりと仰向けになった。

「俺は南川課長に比べたら、仕事もまだまだだ。それにあんなに落ち着いて何もかもこなすことは出来ない。」

「どうしてそこで南川課長が出てくるの?」

掛け布団の中で触れた祐介の手をそっと握る。

「俺はまだ何も南川課長に勝る所はない。」

「ねっ、どうしてそんなに南川課長を意識するの?水島は‥、祐介は祐介じゃないの?」

祐介は少し笑みを浮かべると、一瞬顔をしかめた。

「南川課長に阿里を持っていかれそうな気がして不安なんだ。」

「分からない。」

私は寝返りを打って、祐介に背を向けた。

「私が好きでもない男と寝る女だと思っているのね。」

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