愛の距離がハカレナイ
少し震えているような気がする。

「…どんな思いで俺が阿里を思っているのか…、どれほど失いたくないのか…、阿里には分かっていない。」

首筋に祐介の額が触れた。

「南川課長はきっと阿里への自分の気持ちに気が付いていない。でもその事に気が付いた時に、あの人はきっと阿里に真っ直ぐに向かい合うだろう。」

私は大きく息を吐きながら、目を伏せる。

「だから?」

こんなに自分の声が冷たいと感じた事はない。

「俺は自分に自信が持てない。阿里の気持ちが急にどこかへ向いてしまっても仕方がないと思っている。でもそれを指をくわえて見ている事も出来ない。それが今の‥、俺の今の精一杯なんだ。」

こんな弱々しい、意外な祐介の声を聞くのは初めてだ。

私はそっと祐介の気配を伺う。

そんな私に祐介は荒々しくキスをして来た。

「…く‥、苦し‥。」

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