愛の距離がハカレナイ
祐介が私の耳元で囁いた。

「もう…。」

祐介が私の肩に置いた手に意識を移しながら溜息をつく。

「どうした?阿里。」

やっぱり祐介の顔が近い。

「恥ずかしい。」

「どうして?俺は阿里が俺のモノだってアピールしたくてしょうがない。」

「それをのろけと言うのよ。」

香澄が振り返って笑う。

「私でも気が付いていたくらい、水島は阿里にベタぼれだったのよ。」

そうか…、あの香澄がね…。

「全く気が付いてなかったでしょ?水島くんの気持ちに。」

テーブルに座ると、篤志さんは私にそう聞いた。

私は横に座った祐介にチラリと視線を送る。

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