愛の距離がハカレナイ
「仲間だと思っていましたから。ずっとそばにいるのが当たり前だったから…。」

「そうよね、分かるわよ、その気持ち。」

料理を運びながら、香澄が私に相槌する。

「こういう恋愛に鈍感な人を好きになると、お互い苦労するね。」

篤志さんが祐介に同意を求める。

「そうそう、どれだけ気持ちを仄めかしても、全く気が付かないんですから。」

祐介が困ったように頷く。

しかし篤志さんと祐介は顔を見合わせてにっこりする。

「やっと手に入れたな。」

篤志さんのその言葉に、2人が立ち上がって握手をした。

「大げさよ。」

私は思わずつぶやいた。

「香澄の例があるからな。」

篤志さんは懐かしそうな顔をする。

< 49 / 155 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop