愛の距離がハカレナイ
「私、南川課長と食事なんて、緊張で喉を通らないわ。」

「違うわよ、阿里。南川課長は阿里に本気よ。」

必死な香澄の表情を見て、思わず笑ってしまった。

「ないない、祐介みたいな事は言わないでよ。仕事中はめちゃめちゃ厳しいんだから。」

その様子を思い出すだけでも、思わず肩をすくめてしまう。

「でも最近南川課長のご機嫌が良すぎるわ。それにこんな食事の誘い‥。」

少し心配そうな香澄の表情。

「とにかく今日は帰るわ。香澄は考えすぎよ。じゃあ、お先に。」

私はそれでも何か言いたげな香澄を置いて、会社を出た。

こんなに早く帰れるのは久しぶり。

どこか買い物に寄ろうかな。

そう思った瞬間に誰かに腕を掴まれた。

「どうしたの?祐介。」

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