愛の距離がハカレナイ
息を切らした祐介が私の顔を見つめる。

「俺も帰る。」

「ちょっと仕事は大丈夫なの?」

私も最近帰りが遅いが、祐介がもっと遅いのは知っている。

「それどころじゃない。」

祐介の顔がマジだ。

「祐介‥?」

私の心配そうな表情に、祐介もハッと我に返ったようだ。

「一度家に戻ってから、阿里の部屋に行く。」

「分かった。」

私は何となくぼんやりと答えた。

「阿里‥。」

祐介のキスが不意に私を襲った。

私は思わず、周りをきょろきょろと見渡す。

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