愛の距離がハカレナイ
「誰に見られていたって構わない。」

「祐介‥、何かあったの?」

私は祐介の顔を見つめた。

「…ゆっくり話す。」

それだけ祐介は言い残すと、また戻って行った。

「まだこんな所にいたんですか?」

急に声を掛けられて、身体がびくついた。

「いえ、もう帰る所です。」

私はその声の主、南川課長の方を見た。

もしかして、さっき祐介と一緒に居る所を見られた…?

「明日からはもっと頑張ってもらうから。今日はゆっくり休むんだぞ。」

少し怖い顔をした南川課長。

「すいません。」

私は思わず深々と頭を下げていた。

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